生活保護を受けよう!|相談から保護決定まで~生活保護の受け方と生活保護申請に必要なものを徹底解説~

FIRE・節約・生活保護
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皆さんこんにちは、季ラリです。

今回のテーマは、『生活保護の受け方について』です。

「お金に困窮しているけど、生活保護を受けるか悩んでいる」という方、いらっしゃるのではないでしょうか?

筆者の妻が以前福祉事務所でケースワーカーをしておりまして、生活保護の受け方について徹底的にインタビューしましたので、その内容について記載していきます。

この記事を最後まで読んでいただくと、「生活保護決定までの流れ」「生活保護申請に必要なもの」「生活保護を受けられるか否かの基準」など、生活保護受給に当たっての入り口の部分が詳しく理解できます。また、生活保護受給に係るちょっとした裏ワザ情報を入手できます。

他ではなかなか知りえない『福祉事務所の内部手続き』的な部分も、公開できる内容について可能な限りわかりやすく説明していきますので、是非最後まで読んでいってください。


なお、生活保護受給にあたって不安なことがある方は、

生活保護受給にあたって不安なこと10選|してはいけないことは?|現役ケースワーカーが説明します!

の記事を読んでいただくと解消できると思います。是非こちらも合わせて読んでみてください。

この記事が参考になる人

・生活保護の受け方がわからない人

・生活保護を受けるための裏ワザ的情報を知りたい人

・生活保護を受けるのに必要なものを知りたい人

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生活保護の申請から決定までの流れ

でははじめに、生活保護の申請から決定までの流れについて説明をしていきます。

大まかに、

生活保護の相談(所管福祉事務所の相談係)

生活保護申請受理

居宅訪問(担当のケースワーカー)

審査・決裁回議(担当のケースワーカー)

生活保護の決定

生活保護受給に係る説明(担当のケースワーカー)・初回生活保護費の受け取り


という流れで進んでいきます。

1つずつ詳しく説明をしていきます。

Step➀ 生活保護の相談(所管福祉事務所の相談係)、生活保護申請受理

生活に困窮し、生活保護の受給について相談したいと思った時は、まずはじめにご自身がお住まいの地域が所属する「福祉事務所」にアポを取って相談に行きましょう。
持ち物については次の章にて後述しますが、この電話の際に指示があります。

相談に行くと、福祉事務所の「相談係」の職員が、あなたの生活困窮状況等についてヒアリングを行ってくれます。

生活保護には「他法優先」という考え方があり、「他のどの手段や法律を使っても解決できない場合(部分)にのみ生活保護の制度を使うことができる」という設計がされています。

そのため、「生命保険を解約すればそのお金で生活できる」「家を売って賃貸に引っ越せば生活ができる」などお金を工面することができる場合や、「勤めており一定程度収入がある」「扶養親族がいる」「貯金が10万円以上ある」「年金が入る予定がある」など今後の生活にあてがある場合には、この「相談」の時点で追い返されることになります。


また、生活保護の基準には満たないけれども一定程度生活に困窮していると考えられる方に対しては、各自治体で設定されている「くらしサポートセンター」や、東京都であれば「TOKYOチャレンジネット」という即日住み込み可能な住居や日雇いの仕事などを紹介してくれる公的団体に繋いでくれることもあります。



通常この相談直後に「申請受理」されるか否かが決まり、この段階を突破した方のみ、次のSTEPに進むことができます。

豆知識

相談係の審査で「申請受理」となった時点で、95%以上の方が生活保護の受給を開始できます。

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Step② 居宅訪問(担当のケースワーカー)

相談係の振り分けを通過し「生活保護申請受理」となると、次は担当のケースワーカーによる居宅訪問となります。

この「ケースワーカー」が、今後のあなたの生活保護に関する「担当者」になります。(あくまで担当者であり、身元保証人や世話人ではありません。)
相談の係からケースワーカーに相談票が回され、あなたが持参した居諸資料や自治体のシステム上のデータから、

・生活歴
・収入
・残余財産
・通院歴
・家族構成
・住居の状況
・年金や健康保険の加入状況

といったあらゆる情報についてチェックがなされ、居宅訪問が行われます。

訪問前日までに必ず電話で、「○○日何時からあなたのお宅に伺いますけどよろしいですか」というお尋ねがありますので、都合が悪ければ日程を変更してもらいましょう。

ただし生活保護法において、「原則として、生活保護の申請を受理してから14日以内に保護開始か却下かの決定をしなければならない」と規定されていますので、ケースワーカーさんの負担やご自身の生活のためにも、なるべく打診された日で居宅訪問を受けるようにしてください。

実際に居宅訪問をされた際には、主に以下の内容について確認がされます。

➀部屋の間取りの確認(生活に必要な家具什器が揃っているか、契約書の内容と相違ないか確認)
➁産まれてから今までの経歴の確認
③通院状況・障害の有無などについての確認
④扶養親族の確認(扶養親族へ扶養可否について手紙を送ることがあります)
⑤生活保護を受けてからあなたがどうしていきたいかの確認(援助方針を立てるために使用します)


新規訪問時にはお金に関する話はあまりされません。その代わりに、あなたの生活歴や病気の有無など個人的な内容を詳しく聞かれることとなります。

新規訪問の目的は、
①生活保護の受給が必要な者かどうか最終確認をすること
➁生活保護受給後の援助方針を立てるための情報収集をすること
の2点に帰着すると考えてください。

Step③ 審査・決裁回議(担当のケースワーカー)、保護の決定

新規訪問を終えると、ケースワーカーにより受給可否について最終審査がされるとともに、「生活保護の基準額と照らして、いくら支給する必要があるか」の計算がなされ、上司に決裁が回議されます。
事務所内の一番上の決裁権者が決裁を終えた時点で、あなたの「生活保護の受給」が正式に決定することとなります。

なお、先ほど「原則として、生活保護の申請を受理してから14日以内に保護開始か却下かの決定をしなければならない」と述べましたが、これは「決定をする」ところまでを14日以内にするという意味でなので、実際に最初の生活保護費が支給されるのは、その1週間後になるといったこともあり得ます。

生活保護の審査期間中においても、今手元にあるお金は大切に使うようにしましょう。

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Step④ 生活保護受給に係る説明(担当のケースワーカー)・初回生活保護費の受け取り

生活保護受給開始の決定が下りると、「生活保護支給決定通知書」が自宅に郵送されます。
また、担当のケースワーカーから、「生活保護受給に係る説明を●●日に行いますので、印鑑を持って福祉事務所まで来所してください」と指示がありますので、その指示に従ってください。
だいたいの場合、その初回説明時に、最初の生活保護費を手渡しで貰えます。

福祉事務所に出向くと、初めに担当のケースワーカーより、生活保護の受給に関する説明がされます。
「生活保護を受給する上で守らなければならないこと」「受けられる扶助の種類」などについて説明がされ、大まかには以下のような内容です。

ケースワーカーに申告・相談すべき事項について

・収入や資産について必要な申告を忘れず行うこと(資産申告・収入申告)
虚偽の申告をしたり、収入があって黙っていたりすると、最悪生活保護が廃止になります。

・転居する場合や家族が増減する場合(結婚・離婚など)にはかならず事前に連絡すること
転居する場合は、生活保護を受給する自治体が変わるため、転居先の自治体にお伺いを立てる必要が出てきます。

・病院に行きたい時は予め医療券の発行を依頼すること
生活保護を受給すると「健康保険証」は没収され、その代わりに「医療券」というものを病院に提出します。

・身体障害者手帳を取得した場合や年金の受給が決定した場合には必ず連絡すること
手帳を取得すると、生活保護費の支給額が少し増えることがあります。

・その他本人や家族の状況に変化があった場合には必ず連絡すること
入院した、学校を辞めた、海外に渡航することになった、など少しでも環境に変化があった場合は基本ケースワーカーへの連絡が必要だと思いましょう。

受けられる扶助の種類について

・生活扶助・・・生活費
・教育扶助・・・小中学校の義務教育に係る必要なお金
住宅扶助・・・住居の家賃、敷金・礼金、更新料、火災保険料など
医療扶助・・・医療費
介護扶助・・・介護保険制度を利用して介護サービスを受ける場合の費用
出産扶助・・・出産に係るお金
生業扶助・・・高等学校に係る必要なお金
葬祭扶助・・・火葬費用、遺体安置費用、死亡診断書発行費用、ドライアイス代など

その他

・水道基本使用料金の免除
生活保護を受給すると、申請により水道料金のうち基本使用料金に係る部分が免除されます。

・NHK受信料の免除
生活保護を受給すると、NHK受信料が全額免除されます。

・住民税減免
生活保護を受給すると、自治体によっては住民税が減免されます。

・金銭借入の禁止
生活保護受給中に他人からお金を借りると、その借りた金額分の生活保護費を福祉事務所に返還しなければならなくなります。そのため、絶対にお金は借りないように注意喚起されます。

・債務整理
借金が概ね10万円を超えている場合、最寄りの法テラスに行って、自己破産などの「債務整理」をするように促されます。

・居宅訪問
通常、年に2回程度居宅訪問を行うこととなっており、その説明がされます。

以上のような内容についてひととおり説明が終わると、「確かに説明を受けました」という書類にサインをさせられ、初回の生活保護費を受け取ることができます。

ここまでが、生活保護受給開始までの流れの説明になります。

少しはイメージいただくことができましたでしょうか。

生活保護申請に必要なもの

では、次に生活保護申請に必要なものについて紹介いたします。
ここにいう『必要なもの』とは、『最初の相談の時に持っていくもの』と解釈してください。

初回相談時に準備すべきもの

・手持現金
・貯金通帳(持っているものすべて)
・収入に係る明細書(給与明細、年金通知書、傷病手当金支給決定通知書など)
・年金手帳
・健康保険証
・身体障害者手帳
・かかっている医療機関の診察券
・賃貸の契約書
・印鑑(認印でよい)
・その他支給が必要と考えられるものがある場合にはその根拠となる書類

なお、相談に行くと、以下の3つの書類については必ず記入を求められます。
全て申請書は福祉事務所にありますので、特段印刷していかなくても大丈夫です。

生活保護初回相談時に記入を求められる書類

・保護申請書
「●●という理由で生活保護を申請します」という保護申請の理由を記載するもの
・資産申告書
現時点でのあなたの資産(現金預金、不動産、自動車など)、負債(借入金など)を記載するもの
・収入申告書
月ごとにあなたの収入を記載するもの(無収入の場合でも無収入申告書の記載が必要です)

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生活保護を受けられるか否かの基準

生活保護は世帯単位で決定がされます。一緒に生活している世帯全員の収入が、国が定めた最低限生活費を下回ったときにはじめて生活保護を受給することができます。
東京都内在住の一人暮らしの方の場合、月収が概ね13万円を下回った場合には生活保護を受給できる可能性が高くなります。(その方の月にかかる医療費などの金額によっても変動するためあくまで目安と捉えてください。)

最低限生活費と収入については、ざっくり以下のとおり計算します。

最低限生活費と収入の計算

・最低限生活費
生活扶助(※)+住宅扶助+医療扶助+介護扶助+教育扶助+その他の扶助
※生活扶助は個人単位で計算される第1類と、世帯単位で計算される第2類の合計額となります。

・収入
保護開始前に得た給与収入、事業収入、年金収入などについて、あらかじめ定められた計算式に当てはめて計算します。



申請時に手持ち金が多いとその分「収入認定」がされ、初回の生活保護費が減らされてしまいますので、『なるべく手元のお金を使い切ってから生活保護を申請すること』をお勧めします。

おわりに

皆さん、いかがだったでしょうか。

生活保護の相談に行くのはすごくハードルが高く感じるもので、躊躇していた方もいらっしゃったかもしれません。

しかし、生活に困窮した状態で放置しておくのは絶対に得策ではありません。
健康を害したり、犯罪に走ったりしてしまっては本末転倒です。

この記事が少しでも、生活保護の受給を悩んでいる方々の助けになれば嬉しく思います。

これからも、皆さんの生活に役立つ情報を沢山提供していきますので、一緒に勉強していきましょう。

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